【教員パパ直伝】遊びが学びになる!低学年の運動能力をグングン伸ばす「家庭での運動アプローチ」

こんにちは、小学校教員の「きんみょ先生」です。

前回の記事では、子どもたちの怪我を防ぎ、運動能力の土台を作るための「発育理論(スキャモンの発達曲線など)」についてお話ししました。

・9歳頃までに「神経系」は成人の約90%まで育つ

・低学年の時期は、多種多様な動きで神経回路を張り巡らせることが大切

今回は第2弾として、「じゃあ、小学校低学年(プレ・ゴールデンエイジ)のうちに、具体的にどんな運動や遊びをさせればいいの?」という疑問にお答えします。

実は、ハードな習い事や特別なトレーニングは必要ありません。我が校の体育の授業でも取り入れている「あるプログラム」の考え方を使えば、日々の遊びの延長で驚くほど身体操作が身につきます!

■ 学校の体育でも大活躍!「アクティブチャイルドプログラム(ACP)」とは?

私が勤務する学校の体育の授業では、日本スポーツ協会が推進している「アクティブチャイルドプログラム(JSPO-ACP)」を積極的に取り入れています。

例えば学校の体育では、合図を聞いて瞬時に反転してダッシュする「ネコとネズミ」や、体勢を変えながら身体バランスを養う「進化ジャンケン」といった集団でのACP遊びを行っています。

子どもたちに「さあ、運動の練習をするぞ!」と言うと身構えてしまいますが、このようなゲーム感覚の遊びにすると、目を輝かせて夢中で動き回ります。そして気づけば、走る・跳ぶ・かわす・バランスを取るといった複雑な動き(神経回路への刺激)を自然とこなしているのです。

※公式情報はこちら

日本スポーツ協会が推進するプログラムの詳細は、JSPO アクティブチャイルドプログラム(ACP)公式サイト(https://www.japan-sports.or.jp/acp/)をご覧ください。

■ ご家庭で今日からできる!おすすめの「おうちACP遊び」3選

「学校でやっているような運動遊びは、家では難しそう……」と思われるかもしれませんが、実はACPのガイドにはご家庭の省スペースや親子2人で簡単に楽しめる遊びもたくさん紹介されています!

その中から、特に低学年の神経系を刺激するのにおすすめの遊びを3つピックアップしました。

① 新聞紙キャッチ(反応速度×空間認知能力)

保護者の方が広げた新聞紙(またはハンカチやタオル)を上からひらひらと落とし、お子さんが地面に着く前に両手でパッとキャッチする遊びです。

ここがスゴイ!:

落ちてくる物の動きを目で追いかける「動体視力」と、それに合わせて素早く手を伸ばす「反応速度」が鍛えられます。慣れてきたら片手でキャッチしたり、落ちる高さを変えたりするとさらに盛り上がります。

② くまさん歩き&あしか歩き(体幹×支持力・怪我予防)

リビングの床上を、手と足(四つん這い)を使って動物の真似をして移動する遊びです。

・くまさん歩き:膝を浮かせ、手と足で床を押しながら進む

・あしか歩き:足を後ろに伸ばし、手だけで身体を引っ張って進む

ここがスゴイ!:

自分の体重を自分の手腕でしっかり支える運動になります。前回の記事でお話しした「転んだ時にとっさに手をついて体を支える(手をつく)神経回路」を育てるのに最高の運動です。

③ タオルしっぽ取り(アジリティ・身のこなし)

ズボンの後ろにタオルやハンカチを軽く挟み、お互いに取られないように逃げながら相手のしっぽを狙う遊びです。

ここがスゴイ!:

相手の動きを観察しながら、身をひねったり素早く方向転換したりする総合的な身体操作(アジリティ)が育ちます。リビングでも安全に配慮しながら親子で全力で楽しめる人気の遊びです。

■ 低学年のうちに経験させたい「3つの動作タイプ」

家庭や公園で遊ぶときも、ACPの考え方をベースに「36の基本動作」を意識してあげると効果的です。難しい理論は抜きにして、以下の3つをバランスよく触れさせてみてください。

1. 体のバランスをとる動き(平衡系)

・立つ、起きる、回る、倒れる、バランスをとる

・狙い:転びそうになったときに姿勢を持ち直す「体幹と感覚」を育てる

2. 体を移動させる動き(移動系)

・走る、跳ぶ、登る、くぐる、身をかわす

・狙い:咄嗟の反応速度や、自分の身体の位置を把握する力を高める

3. 用具や人を扱う動き(操作系)

・投げる、捕る、支える、引っ張る

・狙い:手足の器用さや、転んだときに手をついて体を支える力を養う

■ 親がサポートするときのコツ:「上手さ」より「楽しさ」

低学年の子にとって一番大切なのは、「身体を動かす=楽しい!」というポジティブな感情です。

・フォームの綺麗さや勝ち負けにこだわりすぎない

・「今の身のかわし方、かっこよかったね!」「諦めずにキャッチできたね!」と過程を褒める

・保護者自身も一緒になって笑顔で楽しむ

大人が楽しそうに遊んでいる姿を見せることで、子どもは運動に対して前向きになります。この時期に「運動が好き!」という心の土台ができれば、高学年になってからの技術習得(ゴールデンエイジ)で爆発的に伸びていきます。

■ まとめ:日常の「遊び」こそが最高の運動指導

体育の授業でACPを取り入れていてつくづく感じるのは、「子どもは楽しければ勝手に伸びる」ということです。

1. 習い事よりもまずは「多様な遊び」で神経回路を張り巡らせる

2. 学校でも導入されているACPの考え方を家庭の遊びに活かす

3. 「新聞紙キャッチ」や「くまさん歩き」など、おうちでできる工夫から始める

「うちの子、運動が苦手かも……」と心配する前に、まずは今日のリビングで、親子で笑顔になって「おうちACP遊び」を試してみてください。その小さな「遊びの体験」の積み重ねが、お子さんを怪我から守り、将来の運動能力を大きく伸ばす最高のプレゼントになります!

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