こんにちは、現役教員のきんみょ先生です。
全5回でお届けしてきた「発達特性と向き合う親子を支える言葉」の連載も、今回が最終回です。
- 第1回: 前回の対応を試しても改善しないとき。暴言の裏にある「脳のクセ(発達特性)」という可能性https://www.kinmyo-medaka.com/【第1回】繰り返す暴言の裏にある「脳のクセ(発/
- 第2回: 家庭で試せる!怒鳴らなくても伝わる「声かけと環境調整」https://www.kinmyo-medaka.com/【第2回】家庭で試せる!怒鳴らなくても伝わる「/
- 第3回: 支援学級への偏見をゼロに。「隔離」ではなく「その子専用のオーダーメイドな学び場」https://www.kinmyo-medaka.com/【第3回】支援学級への偏見をゼロに%E3%80%82「隔離」で/
- 第4回: なぜ「できるだけ早い学年」での支援学級検討が必要なのか?〜現役教員からの切実な願い〜https://www.kinmyo-medaka.com/【第4回】なぜ「できるだけ早い学年」での支援学/
最終回となる今回は、一歩を踏み出そうとしている保護者の皆様へ、「専門機関や受診への向き合い方」と「親御さん自身のメンタルケア」について、大切なメッセージをお届けします。
1. 医療や相談への受診は「問題のある子」にするためではない
スクールカウンセラーへの相談、発達支援センターや小児神経科などの医療機関への受診……。 そうした話が出たとき、親御さんの心にはどうしてもブレーキがかかってしまうことがあります。
「病院に行ったら、我が子に『障害者』という決定的なレッテルが貼られてしまうのではないか」 「一度診てもらったら、もう後戻りできないのではないか」
そう不安になるのは、親として当然の感情です。
ですが、私は教員としてこう考えています。 受診や相談は、子どもにラベルを貼るためではなく、「子どもと親がラクになるための味方を増やすこと」なのです。
医療機関にかかることには、実はとても具体的なメリットがあります。 例えば、専門医に診てもらうことで、本人の強い衝動性やパニックを和らげ、学校生活を送りやすくするための「その子に合った処方箋(お薬)」という選択肢をもらえることがあります。薬によって脳のキャパオーバーが和らぎ、本人も周囲もぐっと過ごしやすくなるケースはたくさんあります。
また、前回の記事でお話しした支援学級を検討・希望する場合、手続きのために医師の診断書や意見書が必要になることがほとんどです。
そして、ここで一つ知っておいていただきたい「現実的な注意点」があります。 特に最近は発達相談や支援級の需要が非常に高まっているため、専門病院の初診予約が数ヶ月〜半年先(場合によってはそれ以上)まで埋まっていることがよくあります。
「支援級を検討したい」「専門医に話を聞いてみたい」と思ったときに、すぐに予約が取れるとは限りません。だからこそ、「まだ迷っているけれど、とりあえず予約だけ入れておく」「まずは早めにスクールカウンセラーに相談しておく」という、ゆとりを持ったスケジュールで動き始めることが、お子さんの学びの場をスムーズに整えるコツでもあります。
診断名がつこうがつくまいが、支援学級に行こうがいかまいが、目の前にいるお子さんの可愛さや大切さは何一つ変わりません。 受診は、あなたとお子さんが「自分らしい笑顔」を取り戻すための、有効な手段の一つなのです。
2. 親御さん自身が自分を「たっぷり甘やかす」時間を作ろう
この連載を通して、私は「子どもの脳のクセ」や「環境の整え方」をお伝えしてきました。 しかし、これらを実践するために一番必要なエネルギーは何だと思いますか?
それは、親御さん自身の「心の余裕」です。
どれだけ素晴らしいトリセツを手に入れても、大人側の心のコップが疲れやストレスで溢れかえっていたら、穏やかに対応することなんて不可能です。
前回の連載(暴言編)でもお話ししましたが、子どもに腹が立つのも、イライラするのも、当たり前のことです。 自分の不愉快さやイライラは、子どもを叱ることで解消するのではなく、自分自身の好きなことで解消していいのです。
- 好きなお茶やスイーツを楽しむ
- 趣味やスポーツに没頭する時間を作る
- 信頼できる友人や専門家に「もう本当に我が子がむかつくの!」と愚痴を吐き出す
これらは決して「親の我がまま」でも「サボり」でもありません。お子さんと笑顔で向き合い続けるために絶対に不可欠な「大人のエネルギー補給」です。自分をたっぷり甘やかしてあげてくださいね。
3. 学校とご家庭で「チーム」になって進んでいこう
子育ては、保護者の皆様だけで完結させるものではありません。特に発達特性や学校生活での困り感がある場合は、「学校とご家庭がチームになること」が何よりの力になります。
「家ではこんな声かけをしたら落ち着きました」 「学校ではどんな場面でパニックになりやすいですか?」
そんな風にお互いの情報を共有し合いながら、担任、支援学級の担当、スクールカウンセラー、そしてご家庭が手を取り合って「この子にとって一番居心地の良い環境」を一緒に作っていきましょう。
現役教員であるきんみょ先生も、日々悩み葛藤しながら、目の前の子どもたちや保護者の皆様と一緒に歩んでいます。
おわりに:焦らず、ゆっくり、我が子の歩幅で
「できるだけ早い学年での検討を」とお話ししてきましたが、それは「今すぐ焦って決断しなさい」という意味ではありません。
親御さん自身にも、受け止めるための時間や心の準備が必要です。
一歩進んでは立ち止まり、また少し考えて一歩進む。それでいいのです。 大切なのは、周りの目や世間の評価ではなく、「我が子が一番笑顔で過ごせる場所はどこか?」という視点を真ん中に置いてあげることです。
大丈夫。あなたが我が子を思い、こうして情報を探していること自体が、もう十分すぎるほどの大きな愛情です。
焦らずゆっくり、お子さんの歩幅に合わせて、一緒に進んでいきましょう。 全5回の連載をお読みいただき、本当にありがとうございました!

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